我日本の柱とならない

我日本の柱とならない、我日本の眼目とならない、我日本の大船とならないし、そんな誓いしていない。

オウム真理教にまつわる都市伝説について(他のカルト黒幕説とかヤクザ関与説)

 麻原の死刑が執行された。来年は元号も変わるので、平成の締めくくりという意味があったのだろう。時代を象徴する事件であり、麻原が途中で痴呆を装いまともに供述をしなかったこともあって、オウム事件についてはいろいろな都市伝説が囁かれ続けてきた。
江川紹子も言っていたが、もう事件について解明できることについてはほぼ解明されつくされているそうだ。


この際なので、いろんな都市伝説を振り返ってみて、冷静に突っ込んでみたい。

 


◆統一〇会黒幕説

オウム真理教は元はヨガサークルであったが、一時期からキリスト教系のカルトである統一〇会から流れてきた信者が入信したことにより、
暴力的に変質した。その者らの目的はオウム真理教にテロを起こさせて、日本社会を不安化し、警察の対応を試すことにあった。

 


→大手紙の覆面記者の本に書かれて有名になった説。統一〇会は確かに赤報隊事件の関与が疑われ、信者に銃器販売店を経営させるなどして、危険な組織であることは間違いない。
しかし、勝共連合共産主義に各宗教で集まって対抗しようという運動)や、日米韓の保守政治家との付き合いや、国会議員に秘書を送り込むなど、権威や権力を利用する体制志向が強いカルトである。
 そして教祖のMが存命であった当時は、日米に信者をかなりの数の信者を抱えており武力蜂起する必要自体なかったし、他のカルトに武力を提供する必要性はどこにも見当たらない。

 よって、実証がない限り黒幕説はかなり薄いだろう。ただし、オウムに元統一〇会の信者が一定数いたのは事実で、これらは新興宗教をいったりきたりすついわゆるカルトサーファー達だろう。特にオウムは幸福の科学との論戦に見られるように、他の新興宗教との論戦に積極的であった。

 


◆村井秀夫は闇社会からの刺客によって口封じされた説

 村井秀夫はオウム真理教と闇社会の接点であり、ヤクザはオウム真理教覚せい剤や銃器を密売して儲けていた。オウム真理教に捜査の手が伸びたことにより、関係が暴かれることを恐れた暴力団関係者が、自称右翼団体暴力団構成員の徐に指令し、口封じのために村井を殺害したという説

 

オウム真理教とヤクザと関わりがあったのは事実だ。関わりがあったのは当時の五代目山口組の直系団体で、富士宮市に本部を置く後藤組である。後藤組サティアンの土地等について世話をしたと言われている。しかし、覚せい剤等で関係があるかと言えば、警察もかなり疑って捜査していたが結局何も見つからなかった。

 さて、実際の村井刺殺を事件を起こしたのは別の五代目山口組の直系団体である羽根組の構成員徐である。公判では羽根組の若頭からの指示で動いたのかどうかが争われたが結局関与はないということになった。羽根組はこの事件を機に解散している。

 まず、五代目山口組全体の指示で刺殺したことは、羽根組が事件後迅速に解散させられたことを踏まえると考えられない。羽根組の意思として殺害したことも考えづらい、当時はバブル景気の残り香があり、宅見若頭が存命であり山口組の黄金期とも言える状態であった、そのような中で社会的に注目を浴びる事件を起こし容易に組が破門や解散されるのをわかっているのにそのような事件を起こすのは合理的でない。

 唯一考えられるのが、羽根組の若頭が後藤組に頼まれて、徐に指示したという可能性だが、これはあり得るが可能性は低いだろう。若頭という組織のNO2が自らの組織を破壊に導く事件を起こすとは考えづらい。そして、後藤組伊丹十三襲撃事件に代表されるように自ら動く組織である。仮に後藤組が頼むなら代紋の違う他の組織かフリーの人間に頼むであろう。よってこれもありえない。やはり徐本人の意思によるのが妥当ではないだろうか。